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MESSAGE. 4

カタール航空販売実績No.1(個人旅行部門)の当社を襲った「突然の戦争」の裏側

皆さん、こんにちは。トラベル・スタンダード・ジャパンの代表です。

前回までの「初心に宿る」シリーズでは、私の個人的な人生の教訓について少し熱く語らせていただきました。お付き合いいただき、ありがとうございます。
今回は少し角度を変えて、我々「旅行業界のリアルな今」について、現場の最前線にいる経営者の目線からざっくばらんにお話ししたいと思います。

2026年2月28日、米軍とイスラエル軍がイランへの攻撃を開始しました。

ニュース等でご存知の方も多いと思いますが、この事態により、ドバイやドーハといった中東の主要ハブ空港で乗り継ぎができず、足止めされ、空港に閉じ込められてしまった観光客の方々が大勢いらっしゃいました。

この時、私たち旅行会社は、本当に歯痒く、やり切れない思いを抱えていました。

こうした不可抗力による大規模な運休が発生した場合、旅行会社としてお客様にご案内できるのは、極めて残酷な現実です。
「ご自身で、航空会社のカウンターに直接掛け合っていただくしかありません」
「もし別の航空会社で帰国ルートを確保する場合、その航空券代はお客様自身の全額負担になってしまいます」

航空券の規約上、旅行開始後の変更などの操作は旅行会社には権限がありませんので、
最善の対応でもそのようになってしまいます。

異国の地の空港で、不安に震えながら帰国を待つお客様に対して、そんな冷たい案内しかできない。現場のスタッフたちも、私自身も、ただやきもきしながら状況を見守ることしかできない無力感に苛まれていました。

そんな中、飛び込んできたのが「日本政府が、現地に取り残された日本人を救出するためのチャーター機を出す」というニュースでした。
中東から比較的近いアメリカやヨーロッパ各国を中心に救出機が飛ぶ中、日本も動いたのです。

この一報を聞いたとき、私は思わず涙が出ました。
「日本政府、ちゃんと仕事をしてくれているじゃないか!」と、心の底から救われた思いでした。

一方で、ネットやSNSを開けば、この対応に対する批判の声も少なくありませんでした。
「他国と比べて対応が遅すぎる」
「自己責任で行った人間のために、税金の無駄遣いをするな」

もちろん、色々な意見があるのは分かります。しかし、現地で絶望的な状況に置かれたお客様の悲痛な声と、ご案内する術を持たない旅行会社の苦悩を知っている身からすると、本当にありがたい、文字通り「命綱」のような日本政府の動きでした。

ネット上では、政府に対する批判ばかりが目立つ毎日です。
しかし、私たちがこうして安全な場所から、ネットを通じて自由に発言できていること自体、国がインフラを支え、平和の基盤を守ってくれているからこそ成り立つものです。その「当たり前のありがたみ」を忘れてはならないと、強く感じました。

さて、この戦争の影響で、当社の中東を経由するツアーは「すべてキャンセル」という決断をせざるを得ませんでした。
実は当社は、「カタール航空」の個人旅行部門において、販売実績No.1の表彰を受けるほど主力として扱っていました。文字通り、青天の霹靂です。
さらに、世界的な情勢不安による急激な燃油高騰。すでに販売済みのツアーに関しては、当然ながらそのままの金額でお客様に催行する義務があります。

結果としてどうなったか。当社には、多額の赤字が発生しました。
そして、この苦しい状況は、そこから約4ヶ月にわたって続くことになります。

経営者として、この大打撃が痛くないと言えば嘘になります。
しかし、その期間中、私がずっと胸の内で思っていたのは、こんなことです。

「自社の痛手なんて、直接の戦争被害に遭われた方々や、この影響で楽しみにしていた旅行を奪われたお客様の無念に比べたら、なんてことはない」

お金の話なんて、後からどうにでもなります。「売上は、また挽回すればいい」。
本当に、ただそれだけです。

今までも当社はコロナ禍を始め、多くの困難を乗り越えてきました。

そして、ようやくひとつの光が見えました。
2026年6月25日の夕刻、ついに外務省からの注意喚起レベルが緩和されました。

止まっていた時計の針が、また動き出します。
色々なことがありますが、世界にはまだまだ、皆さんの人生を豊かにする素晴らしい場所が無数に存在しています。我々トラベル・スタンダード・ジャパンは、ここからまた力強く、海外旅行の本当の魅力を発信し、皆様を世界へとお送りしていかなければと、決意を新たにしています。

ぜひ、これからの当社の発信、そして企画するツアーにご期待ください。

エレベーターの到着を待つ間や、エレベーターの中にいる時間。あるいは、駅のホームで次の電車を待つ、あのちょっとした「3分間」。

そんな皆さんの日常のアイドリングタイムに、またお会いしましょう。それでは、また次回。

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